1813年に生まれ、1883年に亡くなった作曲家です。時代的にはロマン派の人です。
ライプツィヒ出身で、現在のドイツの作曲家です。その頃のライプツィヒはザクセン王国という国家の一都市で、彼が生まれた頃は現在の様な統一国家としてのドイツは存在しませんでした。
簡潔に言えば、歌劇(オペラ)というクラシック音楽の分野でヒットしたのがそもそものきっかけです。それだけでなく、その分野で大変革を行った結果、数多くの芸術家にも影響を与えました。
音楽の分野で言えばそこまで多くは無いです。未完成や紛失も含めて110曲強です。その内、未完成のオペラだけでも15作程あり、完成されたものは13曲です。しかも、その台本まで10代の時から全て自前です。彼は天才ではありますが、モーツァルトの様な神童ではありませんでした。
1作品を全曲で演奏しようものなら、2時間はかかります。中には4時間以上の作品もあります。
親しみやすい旋律を含む音楽が、彼の歌劇から抜粋されてテレビや映画のBGMに使われている為です。
浪費癖による借金と取り立てからの逃避、その返済で指揮者・文筆業を生業としていたのもあります。それから彼のオペラ自体、大掛かりで台本から音楽まで自分で作り上げていた関係上、そこまで沢山の作品は生み出せなかったのでしょう。
彼の一族がそもそも劇場と深い関わりを持ってた為です。父親・兄・姉もオペラ歌手ないしは役者で、その関係でホフマンやウェーバーと高名なオペラの作曲家とも縁があったのです。ワーグナー本人も子役経験があります。
本人自身、主にオペラに力を入れていたのでそれ以外の分野には労力を割く余裕が無かったからだと思います。その結果、オペラと比べてピアノ音楽などの分野において、そこまで質が高くない作品も多く生まれました。その背景については、次のページで詳しく考察しています。それでもなお、オペラ以外の作品の中には、現在でも比較的よく演奏されるオーケストラの音楽やドイツ語の歌もありますね。
ワーグナーは何もオペラしか作曲した訳では無い事・その中に彼の天才性・個性・創意も垣間見える事を伝える為です。それから、コンサートの演目や各種録音や動画は、皆が良く知る様な有名な音楽ばかりで良くも悪くもありきたりです。その様な状況に私はいささか疑問があり、音楽業界が行き詰まってないかという考えを持って、敢えてワーグナー作曲のマイナーな音楽を推したいという思いがあってこのサイトを作りました。