ワーグナーとの出会い
先に述べた通り、ワーグナーという作曲家を知ったのは小学校5年生の時で、父親にクラシック音楽のCDのオムニバスを買ってもらった事がきっかけです。
それはダイソーで買ってもらったやつで、最初に5枚をその次に5枚買ってもらったシリーズものです。
その中の4枚目にはワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲が入っていて、10枚目には歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲が入っていました。
その頃はただただ、クラシック音楽という世界の美しさや新しい世界に興味津々で、数少ない曲を繰り返し聴く日々でした。中にはこの曲聞いた事ある!という発見に新鮮さを覚える事もあれば、聞いた事無いけど良い曲だと思う事もありました。
「タンホイザー」に関しては前者、「マイスタージンガー」に関しては後者だったのを今でも思い出せます。その頃はジャンルを問わず聴いていた節もありましたが、特にオーケストラのある曲を好んで聴いてました。今でも、私はオーケストラを用いた曲の方が好きですし、その方に目が行きます。特に色々な楽器が組み合わさってメロディーが奏でられ、彩りある音楽に惚れ惚れします。ワーグナーの音楽もその傾向の強い部類です。
そんな事もあり、ワーグナーの物語形式の伝記も読み、彼への理解を深めていきました。何となく波乱万丈で色々な事を経験していた人だった事を私は知り、他の音楽家の伝記や人物事典の記述も見ていくことになります。
テレビ番組では「N響アワー」というテレビ番組でNHK交響楽団の演奏による音楽の解説番組も視聴していました。当時、ワーグナーの音楽は頻繁には取り上げられませんでしたが、熱心にそれぞれの楽器がどのような音を出しているのか覚えていきます。オーケストラを扱う音楽で、編成を気にする癖が付いたのもこの頃です。
小学校時代の私は、ワーグナーに対して特別な思いや因縁は無く、クラシック音楽というジャンルに親しむキッカケやその造詣の土壌を作った一人の音楽家でした。